肺NTM症の主な症状
- 肺NTM症の症状は、感染に伴う全身症状と、局所の炎症進行によって起こる呼吸器症状が主体となりますが 図1 、無症状あるいは症状があっても軽度に留まることがまれではありません2)。
日本結核病学会 編. 非結核性抗酸菌症診療マニュアル. 医学書院; 2015. pp.46-58.より作成
- 全身症状は初期には軽度ですが、進行に伴い発熱・夜間盗汗、全身倦怠感・易疲労感、体重減少などを呈するようになります2)。
- 呼吸器症状は、局所の炎症進行に伴い、咳嗽・喀痰、血痰・喀血、息切れ、呼吸困難、胸痛などが発現します2)。
- 肺NTM症の症状は多彩かつ非特異的です。そのため、併存する呼吸器疾患がある場合は、肺NTM症か併存疾患のどちらが原因の症状なのか判断が難しいこともあります2)。特に、肺NTM症は肺結核と似た症状を呈することが多く、その鑑別は重要です2)。
- 国内単施設における2004~2006年の新規肺MAC症患者309例を対象とした調査では、症状の頻度は 図2 に示すとおりでした5)。
対象・方法:2004~2006年に国内単施設で新たに肺MAC症と診断された患者309例を5年間追跡調査。
Morimoto K, et al. Ann Am Thorac Soc. 2014; 11(1): 1-8. より作成